固定資産減損会計1 of Prominent consulting

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固定資産減損会計とファイナンス理論

固定資産減損会計はファイナンス理論(企業財務論)をベースとしている。まずは、ファイナンス理論を理解することが先決である。

2012-02-16
 前回まで解説した企業財務論は、固定資産の減損会計を始めとする国際財務報告基準の前提理論でもあります。したがって、その流れで今回から固定資産減損会計の解説に入りたいと思います。
 固定資産の減損会計は、国際財務報告基準では、資産の減損-Impairment of assetsと言います。

 固定資産の減損会計基準(含む、適用指針)の内容は膨大かつ複雑で難解です。固定資産の減損会計基準が難解だと感じるのは、その前提となる企業財務論(以下、IFRSにも言及するためファイナンス理論と記する)を理解していなかったり、あるいは理解していたとしても会計基準とその知識が結びついていなかったりするためです。また、固定資産の減損会計基準は資産・コスト側から順番に記述されているため、この基準が全体として何を目的としているのかよく理解できないという事情もあります。

 固定資産の減損会計基準は、完全にファイナンス理論に則って議論を進めているので、ファイナンス理論を理解していれば、考え方自体はそれほど難しくありません。
 逆に言えば、ファイナンス理論の理解なくして固定資産の減損会計を理解することはできません。また、理論を理解することと、それを実際に会計処理に結びつけることとの間には大きな隔たりがあります。ファイナンス理論は理論にすぎないので、それを企業がそれぞれの解釈で計算して、会計処理していては、財務諸表の信頼性が保たれません。
 そこで、固定資産の減損会計基準は、ファイナンス理論の考え方を会計処理に取り込むためにある程度のルール(原則)を定めているのです。

 固定資産の減損会計を単純化した全体概念図は以下になります。CIFはキャッシュ・インフロー、COFはキャッシュ・アウトフロー、PVは現在価値(使用価値)を意味しています。
impairment1.bmp

 会計処理にファイナンス理論の考え方を反映するためには以下のような問題を明確にする必要があります。

  • キャッシュ・フローには何が含まれるのか
  • キャッシュ・インフローにどのキャッシュ・アウトフローを対応させるのか
  • キャッシュ・インフローを固定資産とどのように対応させるのか
  • どのようなタイミングで減損を認識・測定するのか
  • 減損損失を個別の資産にどのように配分するのか
  • 回収可能価額が回復した場合に減損損失の戻入れをするのか
  • 減損の検討は連結ベースと個別ベースでどのように考えるのか

 これらについて、次回から説明いたします。
 固定資産の減損会計はファイナンス理論にならってキャッシュ・インフローから逆進でアプローチすると理解しやすいです。

追記
 固定資産の減損会計を適用する前提として、企業はファイナンス理論にしたがって投資案を検討していることが想定されています。決算でのみ突如としてこのような枠組みの検討が必要とされるわけではありません。
 ところが、日本の企業はファイナンス理論のように投資意思決定をしていないことが多いため、決算になってあわてて固定資産減損を検討するための予算資料作りに追われるという本末転倒なことが起こっています。
 まず、予算検討の体制から変更することが求められます。
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